2022年、最新リマスターアルバム「BEAT-UP ~UP-BEAT Complete Singles~」が発売されたアップビート。
タイミングよくその波に乗ってアップビートを聞いた私。
一年経つのに飽きずにまだ楽しんでいます。
ハマるのがスローだった分、ハマったらスルメです。
強烈なインパクトはないけど、ジワッとくるバンドなんだな~。
時代を超えたTime Bomb

とはいえ、最初に「BEAT-UP」を聞いた時は、V系っぽくない、トンがってない、ボーカルも好みじゃないの3拍子で、思っていたのと違いました。
こりゃ普通のロックバンドだなと。
バクチクで育った私には物足りなくて、アノ曲もコノ曲も引っかからず。
1枚目はいいとして、3枚目になると完全にズレてきます。
ミディアムテンポの曲が多くて単調に感じてくるし。
Respect up beatのライブに行く前にある程度覚えておくか、くらいのテンションでした。
(それもギターのLEZYNA目当て 笑)
ところがっ!!
ライブでナマ広石を体感したり、YouTubeで動画を見たり、他のアルバムを聞いてみたり。
アップビートを知れば知るほど熱が上がっていって、気づけば沼にズッポリ。
はじめのテンションの低さはどこへ行ったのやら?
アップビートを、広石武彦を、甘く見ていました・・・。
恋の出口を封鎖せよ
アップビートはビジュアルがイケてたバンドなので、ご覧いただきましょう。
デビュー曲「Kiss・・・いきなり天国」がこちら!
・・・

アイドルかっ!!
ロックバンドのデビューレコードにどピンクをもってくるセンスよ。
メンバーの困惑ぶりが目に浮かぶ・・・。
ジャケットは軟派ですが、曲はシンプルなギターが冴えるキラーチューン。
大丈夫です。真面目にロックやってます。
間奏とサビのコーラスも盛り上がるし、寒い中がんばってるPVも素敵(笑)
アップビートはデビューまでいろいろあったようで。
このジャケットを見ると複雑な気もしますが、ともあれ世に出てくれたことに感謝。
ちなみに、カップリングの「Vanity ~憂いの君~」も、V系サウンドっぽい曲で好きです。
「広石武彦のワンマンバンド」とも言われていた、アップビート。
↑写真の右側、カメラ目線で決めているカレですね。
ステージで歌う現在の広石さんを見た時、なるほどと思いました。
バンドの主導権を握っていただけでなく華がある人なんだと。
今でも魅力的だから全盛期はすごかっただろうなぁ。
それと、「BEAT-UP」の「Sister Tomorrow」を聞いて驚いたんですよ。
純粋に広石さんの出す「音」で心が振れた気がして。
いい歌手だなと思いましたね。
世界を背にして逆らえ 〜5人時代

メンバー5人時代のアルバムについて、つれづれ書いていきます。
IMAGE
デビューシングルの後に発売されたファーストアルバム。
楽曲のクオリティが高く、翌年同じビクターインビテーションからデビューするバクチクとはずいぶん違います(笑)
イントロのギターから気分が上がる「EDEN」、高音ボーカルが甘やかな「Dreams」、小粋な「スキャンダラスな君の夜」。
どれもいいですよぉ~。捨て曲なし!
ただ、大人たちの手が入りすぎたのか、キレイすぎる感はあります。
演奏もプロの差し替えなので、粗くていいからメンバーの音で聞きたかったですね。
inner ocean
初期アルバムの中でおすすめの一枚。
これで2枚目か・・・と思わずうなる出来。
代表曲「Kiss in the moonlight」のほか、バラエティに富んだ曲が揃っています。
ツアー初日を収めた(最終日じゃないんだ!?)ライブビデオ、「Real Ocean 〜Real Beat Scene5〜」も最高です!
冒頭の楽屋風景から飛ばしてるんですよ。
モニターの故障で不機嫌になった広石があれこれ言うんですが、そのセリフが面白くて。
「ボンのはダメ! ガシ!!」
「辛いわ~こんなん」
メンバーも慣れているのか、黙っているのが賢明なのか、終始無言・・・。
まぁ、“Real”な空気感なんですかね(笑)
ライブシーンも見所満載なこのビデオ。
ぜひ収録曲数を増やしてDVD化してほしいです。
(リハしか見られないVanityとコーラスで昇天しそうなEDENの追加熱望)
アップビートの映像作品ってなぜかビデオのままなんですよね・・・。
パワーウィッシュして待ってますので、どうか!!
HERMIT COMPLEX
広石武彦はひねくれている。
と、思った3枚目。
さわやかなメロディーとは対照的に「俺は世捨て人なのさ」「調子合わせてればいいさ」と投げやり全開な「HERMIT COMPLEX」。
まったりした明るい曲調にのせて「なんでも出来て 何も成せない」「僕は・・・何をやればいい?」と生きるもどかしさを歌う「What am I?(勝手な話)」。
耳に痛い言葉が並ぶ。
30数年前の曲だけど、人の悩みって変わらないんですね~。
ていうか、バブルの時代にこの冷めっぷりよ・・・。
今作の変化球「Dried Flower」と「Mode Insane」は凡と広石の共作。
原曲はわかりませんが、凡もひねった曲を作りますね。
実はバクチクの今井寿と誕生日が一日違いで、歌声にクセがあるところも似ている。
もっとボーカルをとって、広石との掛け合いがあれば面白かったなー。
UNDER THE SUN

やたらビジュアルに力を入れていた感じがする頃。
アルバムのブックレットしかり、ツアーのパンフレットしかり。
もちろん、やっておいて正解のやつ。
「UNDER THE SUN」といえば、外せないのが「ONCE AGAIN」。
胸が高鳴るイントロ、ハンサムな広石のボーカル、ドラマチックで切ないメロディー。
もうトキメキが止まらないっ。
まんまと広石の狙いにハメられてるわ(笑)
アルバムタイトル曲の「UNDER THE SUN」と「陽炎を越えて」も好き。
「陽炎を越えて」はアップビートのミディアムナンバー屈指の名曲。
ライブ(映像)で聞くとバンドらしい熱っぽさがあってイイんですよ~。
ベストアルバム「HAMMER MUSIC」発売後にメンバー2人が脱退し、ボーカル、ギター、ドラムの3人体制になります。
ここから音楽的にも変化していきますが、時はまだ1990年。
下の世代のバンドがどんどん出てくるんですよね。
バンドがさらに伸びていくという時に、代替わりのごとく5人のアップビートは終わってしまいました・・・。
もう一度 胸に火をともして ~ 3人時代

5人から3人へ。
ツインギターの対比が良かっただけに戦力ダウンは否めませんが、変わったのはバンドの形だけでなく。
「BIG THRILL」以降はビート路線から離れ、ロック度が増していきます。
洋楽寄りになって楽曲の幅も広がりますが、90年代っぽさが気になるかも。
80年代の初期4作品の方が普遍的に感じるのは・・・好みの問題?
リアルタイムと後追いでも違うだろうし。
3人時代のアルバムで気に入っているのは「NAKED」。
他のアルバムと突き抜け方が違う。
軟派な曲はナシ!
広石のボーカルも熱くてカッコいい!!
邦楽ロックに戻ってきたので「BIG THRILL」以降が苦手な人も聞けると思います。
正直、3人時代の曲は抵抗感が強かった・・・。
もともとV系要素がない上に、さらに離れていってしまい。
音源だけではしんどくて、YouTubeの動画でモチベーションを上げました。
えぇ、メンバーはかっこいいんですよ。心理的ハードルがあるだけで。
最終的には「広石であればいい」境地に達しますが(笑)

ラストシングルとベスト盤を発売し、アップビートは解散。
またしても「いい時」に終わってしまう、このやるせなさ・・・。
そして、広石武彦すらメジャーシーンから姿を消します。
残念を通り越して寂しいのひと言。
もっとメジャーでの活動を見たかったけど、事情はわからないしね・・・。
しかし、初期4枚のアルバム。
聞いても聞いても飽きない不思議。
パンチが効きすぎていない、絶妙な物足りなさがクセになるのかなぁ。
名盤だと思います。
余談
バクチクファンの私は広石さんがBTの曲を歌ったら・・・と妄想してしまいます。
広石さんのボーカルが合いそうなのは「memento mori」や「夢見る宇宙」あたりですかね。
櫻井ワールド全開の曲はウェットすぎますが、真っ赤な夜、Coyote、Jonathan Jet-Coaster、エリーゼのために、ONLY YOUとか・・・どうでしょう!?